《MUMEI》

 









無駄だと思いながらも暴れてみるがやはり無駄だった……











脚の間に楓は身体を入れてて蹴れないし、両手は頭の上だし、







―――――――――アレ?なかなかピンチじゃね?
















「やだ!はなせ!マジはなせ!」

「答えるならいいけど」

「やだ!」















死んでも言うか!

アンタとキスした不快な夢なんて!絶対嫌だし口になんてしたくない!













「んじゃ続ける」

「い!?やめろって!」

「そう拒否られるとますますしたくなる」

「死ねよマジで頼むから」

「さっきまであんなノリノリだったのにもう一回しようか」

「やっだ!!」










首を出来るだけ真横に向けて拒否する。














「はい第二ボタン〜」

「!!」











続けて第三まで外されたブラウス、冷や汗がどっと噴き出す。目の前の男は慣れたら手付きで飄々とした態度、夜風の頭の中で警報が大きく鳴り響く、



















「や、あ、」

「そうそう、そんな声だったらどんなに出してもいいよ」

「変態が……」











その言葉を無視して首筋に顔を埋めた。

瞬間ビクリと身体になにかが襲う、











首筋を下から上まで舐めあげられて気持ち良さに声が漏れる。











「ふ、ンン………あッ」

「ほんと感じやすい」












チュウ、と吸われチクリと痛みが生じた。


首筋には赤い小さなキスマーク、楓は満足げにそれを見つめてまた舐める。











「は、あ………………楓、」

「!!」











ビクッとして顔をはなした





いつも女っぽい一面などこれっぽっちも見せない夜風のくせにこの色っぽい表情にはギャップがありすぎてクラリとした。そして同時にこれ以上続ければ抑えが聞かなくなってしまいそうになると気付いた楓は身体を夜風からはなす。



夜風は頭に”?”を浮かばせて体勢を直し「急にどうした」と聞く













「飽きた」

「は?」












楓からの意外な回答、














「もうなにもしないよ安心して」

「飽きたっ……て、」

「そのままの意味、黒崎を襲うのに飽きたってこと。何?冗談なのにまさか本気にした??」

「――――――――ッ死ねぇ!」












近くにあった教材を怒りにまかせ投げるが楓は余裕でそれをかわす。














「してほしいなら話しは別だけど」

「…………お前、今日から背後に気をつけてろよ?いつ何が起こるかわからないからよぉ」

「怖ーい、殺されないうちに俺は退散するよ。じゃねー」















そういってそそくさと夜風を置いて部屋から出て行った。夜風は額に青筋を浮かべながら殺すを連呼した……。



















 

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