《MUMEI》 両想い「キリないね」 背中とうなじにあった腕が動いて両肩に手をのせられる。 ゆっくりと体を離して見つめ合った侑は 少しだけ頬が赤かった。 「可採さん、好きだよ」 今、ずっと夢見ていた言葉を聞いた。 そのすべてが、本当に今までのすべてが 一瞬でひとつにつながって、涙があふれ出した。 「私も侑くんが大好き……っ」 侑の胸にとびこんで、ありったけの『好き』をこめて抱きしめる。 侑もしっかりと抱き返してくれた。 信じられないくらい、息がとまるくらいしあわせで。 ああ、こんな世界があったんだ。 好きな人が自分を好きでいてくれる。 こんなキラキラした世界が、あったんだ。 前へ |
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