《MUMEI》
空想
「その記事は、2100年には世界がどうなってるのか、っていう特集だったんですよ。

そこに書いてあるのは、車は空を飛び、ロボットが家事をしてくれる、みたいな事が本気で書いてあるんです。

笑っちゃいますよね。

2108年の今、それはまったく実現できてないんですから」

「まぁ科学者は夢を見たくなるもんなんだろ。それにその頃は調度、技術の進歩が著しかったころだからな。そう思っていても不思議ではないよ」

「結構詳しいじゃないですか、今度面白いの見つけたら持って来ますね」

「いや、そういうのは全く俺のツボにはまらないからいい」

「遠慮しなくて良いですよ。
山本さんは趣味とかないんですか?」

「ない…………うんない」

「退屈な男は嫌われますよ。これからみっちり1週間話すアールが可哀相です。同じ話しを何回もさせられて、気の利いた話しは一切ないなんて」

私は嫌味たっぷりに言ってやった。
私達の間柄じゃこんな会話日常茶飯事だ。

「俺が退屈な男だって?ほぅ……まぁそれは良いとして、同じ話しをさせるなんて事は俺はしない」

「何言ってるんですか。いつもやってるじゃないですか」

「暫く俺の側にいたのにそんな事に気がつかないとは。それじゃあ理系頭の里緒でもわかるように説明してやろう」

「おもしろくなかったら退屈男決定ですね」

「受けて立とう」

退屈男の称号をかけて私達は勝負するのであった。

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