《MUMEI》

仲間が居るのか…5対1……ちっ…不利だな…

い、痛てぇよ…こ、こいつ
タバコ野郎の腕を力任せに掴んだまま

喧嘩…売ってんだろ……

そう、言って、タバコ野郎を突き飛ばしたんだ

買うってのか?…

髭野郎が言った

ポケットから、クレープのお釣の300円を…そいつらの足元に投げたんだ

…つりは、いらねーよ

そう言って、拳を握りしめたんだ

お坊ちゃんが……少し、世の中ってやつを、教えてやるか…表…出な!

髭野郎が言ったんだ

止めとけよ…

声の主は、雅人さんだった
雅人さん、このガキ生意気で、ミキの珈琲を残しやがったんですぜ!

……そう言った男を無視して、雅人さんが

待たせたな、琢磨、なかなか抜け出せなくてな…

俺の肩を叩き、そう言ったんだ
そして、俺の珈琲を、一口すすり

ミキ、同じもん、出せよ

雅人さんが、そう、言ったんだ

…………琢磨?……琢磨って、雅人さんを何度も助けた、琢磨さん?!

髭野郎が言った…

琢磨、そね髭君、殴っていいぜ……イズミの尻、撫でやがったからな…

雅人さんが、言ったんだ

……いや、あ、あれは、挨拶っていうか…

後退りしながら、髭野郎が言ってた…

ほぅ…挨拶ねぇ…なら、優香にも、同じ挨拶してみるか?

雅人さんが言うと…固まってた…まばたきも…忘れてるんじゃないかって…ぐらい…

雅人さんの前に、珈琲が置かれた

一口飲んだ雅人さんが…

琢磨と同じ物を出せよ…

ミキっていう、店員を睨んで、そう、言ったんだ…

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