《MUMEI》

マスターらしき、年輩の人が来て、刺青店員と、ミキって、店員を、一声怒鳴ったんだ…

スンゲー迫力…

腹に響くような声だった…
この店、珈琲だけは上手くてな…残す客を、マスターが叱ったりするんだ…たまにな…

雅人さんが、そう話してたとき、もう、泣きそうな顔してる、ミキって店員が、新しい珈琲を、持って来たんだ…

それを置いたら来い…

低い声で、マスターが言った
気付けば、客は、誰一人、会話してない…

ミキの手が震えてた…
マスター…恐いよな…

俺、冷めきった甘い珈琲を、一気に飲んだんだ…

……ぐぁぁ…砂糖の味しかしねーや……

そして、水を一気に飲んでから、新しき出された珈琲を、飲んだんだ…

…どうだ、上手いだろ?

雅人さんが聞いた

……………ごめん…香りしか…わかんないゃ…

苦笑いして、雅人さんに言うと

……何口に入れても、甘いだろうな…あんなん飲めねーよ…

雅人さん…そう言ったんだ
ミキが、見てた…

………バカじゃないの……普通飲まないわよ…

俺に、そう言って、マスターのとこに言ったミキ…

…………優しいね、お前は…

雅人さんの言葉に

…水…………欲しいょ…

そう、言ったんだ、俺…

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