《MUMEI》
プロローグ
この世界に、この人生に
「絶対」なんてないのかもしれない

それでも僕たちはそれを求めずにはいられない

あの頃の僕たちは、ただ安心を探していた

たった一つの、自分だけの「絶対」を探して…


ピピピピッピピピピッピピピピッピピピ…


8時か…これから準備して自転車で…
あぁ…自転車は駅前か…
てことはバスで行くからバス時間調べて…
着くのは10時くらいかな…
余裕で遅刻だ…まぁいいか…

だめだ頭がガンガンする…

冷たいシャワーを浴びる
朝ご飯を食べようとして冷蔵庫を開けたが何もない

途中で買って行くか…

背負い飽きた指定カバンを背負う
財布に鍵…鍵がない

まぁいいか…
取られて困る物もない

「いってきまーす」
…返事はない

暗くて生活感のない
ただっ広い家は洞窟みたいだ

腹減ったな…

僕はこの洞窟から出て歩き始めた

昨日と同じ太陽が照りつける

ねぇ太陽?見ているんだろ?
僕は自分の足で歩けているのかい?
歩けているように見えるかい?


空は言う

「笑わせるなよ」



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