《MUMEI》

朝食を、ごちそうになり…シャワーまで…

……下着、洗っとくって…
思考回路が正常に動いてなかったのかな…
…ぜんぶ、言いなりっていうか…

……自己嫌悪になりながら、車を取りに、あの店の近くのパーキングまで、歩いてた…

……まだ、二日酔いみたいだ…

あの店…開いてるかな…
10時かぁ…

店は、オープンしたばかりだった

マスターが、珈琲を出してくれたんだ

ぁぁ……美味しい

胃はすこし、キツかったけど…この香り…いいなぁ…
………泊まったのかい?

マスターに、聞かれた

困り顔して
まぁ……酔いつぶれちゃって

そう、言ったんだ

マスター、ニヤニヤして、それ以上聞いて来なかったけど…
…絶対勘違いされてる
そう、思ったんだ

暇なら手伝ってけよ

珈琲を飲み終えた俺に、マスターはそう言ったんだ

…まぁ、いっかぁ
酒も抜きたいし、いまから大学行ってもな…

うわぁぁ、こんなに混むの?
悪趣味な店なのにぃ

ランチもやってんだね……
洗い物が溜まってる
あっちのテーブルも片さなきゃ

夜の仕込みかぁ、玉ねぎ向いて、ニンニクは?…あった…

気が付けば、もう、外は暗かったんだ……

何やってんの?琢磨…

ミキに言われた

………なんか…帰れなくて…

助けを求めるように、言った俺に

マスター、また、客を使ってんのか?

そう言った、昨日も居た常連さん…

こいつ、使えるんだよ、なかなか良い動きしてくれるんだ、
久々に、シチュー作れたぜ
マスターが、笑いながら言ったんだ

…マスターのシチュー、人気みたいだった
メニューにはないのに…

やっと、客側のカウンターに座れたんだ…
…ヘトヘトだった…

ほい、お疲れさん

マスターが、そう言って
シチューと封筒を、置いたんだ…

期待しない方がいいよ、安く人を使うからね、マスターは

ミキが、カウンターの中で言ったんだ

うわぁ!美味い…このシチュー……

味は一級品でしょ?
…ほら、携帯…充電ないでしょ?

ミキに言われたんだ

あ……ありがと…

ミキが充電してくれたんだ、お店のコンセントを使って…

いくら入ってる?

ミキに聞かれ、中を見たんだ

…ちょっとう、マスター!何で琢磨は1万も!

ミキが怒鳴ってた

それでも安いぐらいだよ
お前さんとは、違ってな…
笑いながらマスターが言ったんだ

なんかゴチしてよ、朝食ゴチしたんだからさぁ

ミキが言ったんだ

なんだ?泊まったのか?!
常連さんがミキに言ったんだ

ブラフだよ、ミキのジョークだよ

違う常連さんが言った

あ、そうだ、下着洗っといたから

ミキが紙包みを置いたんだ
マジか?!……
おい、ミキが琢磨と寝たらしいぜ!

誰かが騒いだ

マジ?!身持ち固くて有名なミキがか?

騒ぎになってた…

…………どう……しよう……

マスターは、まだ、ニヤニヤしてたんだ

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