《MUMEI》
イズミの激情
大丈夫か?…琢磨…

雅人さんが聞いたんだ

……………はい…

小さく、そう、答えた俺

優香、貴女も琢磨の女なんだから、シメていいのよ…
イズミが言ったんだ

…優香がシメたら………

雅人さん、困惑顔で、そう言ったんだ…

…シメるとこ…残ってないじゃない…

優香…そう言ってた…

ミキを呼び出すわ

イズミが言ったんだ

……イズミ…呼び出すのは構わんが……冷静に、なれよな…

雅人さんが言った

どうかなぁ…イズミの琢磨への気持ちは、半端ないからね…
…空港に迎えに来た琢磨に、キスだけで逝かされたのよ……

みんなが見てるのに、10分近くキスしてて…
……キスだけで、絶頂を迎えるなんて……

優香が言った…

…優香たちは、良い子にしてたのか?

雅人さんが聞いたんだ

当たり前でしょ!
そりゃあ、口説かれたりはしたわよ!
……性欲は優香とレズしておさめてたわ…

……夜は出歩かないようにしてたし…

あんなに仕事押し付けて…英検持ってたって、専門用語なんかわからないし
アッチのルールだってわからないわょ…
…優香のお供ぐらいの気持ちで行ったのに…
…あんなに働かされて、帰って来たら、ミキと寝たですって…

べつに、今田の奥さんの事とかは、怒ってないよ

…ミキは琢磨に本気なんだよ…その気持ちをわかってながら………

ミキもミキよ……

イズミの怒りがおさまらなかったんだ

全部話した…
…イズミが居なかった間の事を、朝まで掛けて、全部話した…

イズミを抱きながら…
今田さんの話しとかは、イズミも興奮しながら聞いてたんだけど…

ミキの話をしてるとき、
イズミは見たこともないほど、怒りを露にして…

…黙ってる、その選択肢は、俺にはなかったから…
話すつもりではいたんだ…
………腫れ…引かないね…
優香が言ったんだ

そりゃぁ目覚まし時計がこんななんだぜ…

イズミが俺に投げつけた、壊れた目覚まし時計を持って、雅人さんが言ったんだ
うっ、つっ……

ごめん、しみた?

優香が冷やしてくれてたんだけど…
…イズミに引っ掛かれた傷が……

………行くわよ

イズミが言ったんだ

…イズミ、少し冷静になってから…

そう言った雅人さんに
イズミが俺のダウンジャケットを見せたんだ

……ポケットから、女性の下着が…

汚れてるから、クリーニングに出そうかなって…

…ミキの、宣戦布告よね……受けて立つわ…

イズミ、そう、言ったんだ
雅人さんが

アイツ、なにやってんだょ……

小声で言ったんだ

今回は、雅人さんも見方じゃないようね…

そう、言ったイズミに、何か言おうとした、雅人さんに

お黙り!

……イズミが、そう言ったんだ

あんなに、敬語使えって、俺に言うのに…

雅人さんが引き下がってた…

いいわ、私は琢磨の見方になるから…

イズミ、兄さん、私は琢磨の見方よ……きっと、何か訳があるのよ…真実を、確かめに行きましょう

優香が、そう、言ったんだ
ダメよ…これは、私とミキとの戦いなの…
…悪いけど…口出さないで
そう言ったイズミに

なら、何で私たちを呼んだの?

優香が聞いたんだ

…ごめんね…琢磨を診てて、欲しいの
雅人さんには、私を送って欲しいの……

話し、次第では、ここには戻らないつもりだから…
…これがお別れかも…

イズミ、そう、言ったんだ

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