《MUMEI》
泣き虫 ミキ
シャワーを終えたミキが、恥ずかしそうに出て来たんだ…

俺、床とソファーを掃除してた…

…ごむんなさい…

小さな声で、ミキが言ったんだ

うん、心配かけて、ごめんなさい
大丈夫だから…うん…
また、連絡します……

イズミが電話を終わらせたんだ…

…下着新品よ、ブラウスとスカートはクリーニング済みよ…

イズミがミキに言ったんだ
…うん…ありがとう…

また、小さな声で、ミキが言った

……琢磨…顔洗っておいでよ…ミキの匂いがまだしてるよ…

イズミが言うと、ミキが真っ赤になってたんだ

……………

いつも……あんなになるの?

俺の隣に寄り添うように座ってる、イズミが聞いたんだ

……ならないよ………

移動販売車の中ではなったのよね?

………うん…

琢磨とは、潮吹くんだ…

……潮って…なに?

…私も、よく知らない
聞いたことはあるけど………私も濡れる方らしいけど……あんなには…

わたし…変なのかなぁ…

……気持ち良かったなら、いいんじゃないの?
…赤ちゃん産めないわけでもないでしょ…
………どうだった、琢磨のセックス…

………………なんだろう……まだ…うずいてる…

…お尻はへーき?

…まだ、入ってるみたいな感じがする…

…………生で、されちゃったね、アナルセックスまで……

…うん…それはいいよ
それより……別れるとか、言わないでよ…

………別れられないよ……それに、琢磨には、私が付いてないと…ダメだから…
よかった…………それなら…あとは、どうでもいいや……

………バカでしょ…ミキ…
…バカはイズミじゃない…琢磨に、暴力ふるって……
…………うん…ねぇ、ミキ、私の話し、聞いてもらえる…

イズミ、そう言って
鈴木に何をされたかを話したんだ…

そして、俺の指を、イズミが縫ったことも…話してた…

………………イズミ…………そんなぁ…

ミキ、ボロボロ泣いてた…
イズミを見つめ、眉間にシワをよせ、泣いてたんだ…
…泣き虫ね…ミキ…
………私の命は、琢磨に預けてあるの……
……別れるときは、死ぬときかな…

嫌!死ぬとか言わないで!
ミキが叫んだ…

…雅人さんと優香と…ここに居る私達しか知らない話よ…
…どとかから、写真が流出したら……私の世界は壊れちゃうけど…
……琢磨は側に居てくれるから…生きて行けるの

取らないでね…私から琢磨を……

そう、言ったイズミに

そんな気ないよ…
………病院に…また…行くんだ…
…白血病だったから…
………死んじゃうのかなって………
…何を恐がってたんだろう…わたし…
……………………琢磨に抱かれたら…思い出抱いて、死ねるかなって…
…………弱いね…わたし…
ミキ、そう、言ったんだ

再発したの?

……わからない…
目眩とか…たまに……

いつ、病院行くの?

……………とっくに…過ぎてる…
恐くて行けなかったの…

………逃げちゃダメゆ、ミキ……戦って…

うん……………イズミが、戦ってるのに…
………もう、逃げない…
どんな結果でも…
………受け入れる…

ミキ、そう言ったんだ

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