《MUMEI》

夜中に電話が鳴ったんだ

ミキからだった

泣きじゃくってて、よくわからない
マナミさんに何かあったみたなんだ…

みんなで面白がって、雅人さんとマナミさんを、
二人きりで飲みに行かせたんだ…

直ぐに行くからと告げ
イズミを連れ、車を走らせた

深夜とは言っても、隣の県だ…
かなり身勝手な運転で走っても…

…………

イズミ…ふたりに付いててあげて

はい……

マナミさんを、病院に運ぶとき…
泣きじゃくってるミキの頬を……軽く叩いた

…今、ミキがしっかりしなくてどうする?!

…自分の薬を持て
お姉さんに、何日でも付き添うんだ…いいね…

そう、言い聞かせたんだ

……………

イズミ…二人に付いててあげて

はい……

……朝方、俺は、ひとり
マナミさんの、移動販売車が置かれてる
駐車場に、行ったんだ…

預かった鍵で、扉を開けようとした…

扉は…施錠されてなかった……

中は、メチャクチャになってた…

ちょっとした丘の、中腹にある、駐車場…
…深夜は人通りも少ないし…少し奥まったとこに、停められてるから…

…アルバイトも増えたし、犯罪の、抑止力にもなるからって…
……レジを写す、防犯カメラを、取り付けたのは、
つい、先日だ…

……壊されてた…
カメラも…ミニパソコンも……

…お金は、必ず持ち帰る………レジは、開けられた痕跡すら、ない…

………………琢磨!

雅人さんが来た

……イズミから、連絡もらったんだ…

………雅人さん…
マナミさをを、送ったの、何時ごろですか?

…1時、ちょっと過ぎだ…
……ミキから電話が来たのは4時…ちょっと過ぎ…

3時間か……

雅人さん……仕事あるでしょ?…
俺がやりますから…
雅人さん家のパソコン貸してよ…

…わかった……

…俺…また、表情がなくなってたのかな…
…雅人さんが…緊張した顔で…俺を見てた…

雅人さんの家で、俺を迎え入れた優香も…
…俺の顔を見て、事態の深刻さを感じ取ったみたいだった…

………雅人さんの家から、俺のサーバーにアクセスした…

もうひとつのマンションには、大型サーバーが置かれてるんだ…

移動販売車に設置したカメラは、人感センサーを搭載してある…
…映像は、随時送信され、サーバーに、録画されてるはず……だけど…
………ミニパソコンを、先に破壊されてたら…
…映像は、送信されてないかもしれない…

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