《MUMEI》

マナミさんのお店
メイプルハウスは、大繁盛だったんだ

まさか…こんな展開になるとはなぁ…

遊歩道のベンチで、以前より断然美味しくなったクレープを食べながら、呟いたんだ

ホントよね…マサエさんが、お米を扱う免許持ってて……今田さん…今は、望月さんか……が、お菓子作りねカリスマで…一時はテレビにまで出てたなんてね……
………マサエさんも、抱くの?

イズミが、そう言ったんだ
………今のマサエさんなら、抱けるかもな…

…………スケベ、何人女増やすのよ…

…ん…俺の女は、イズミと優香だけだよ…

…………何が、違うの?
私と優香と、それ以外と…
俺の全てを許してるのは、イズミと優香だけだよ………

うん……私も、琢磨と雅人さんだけよ…でも…愛してるのは、琢磨だけ…

……イズミ…俺、優香も愛してる………
……暮らせはしない…優香とは…でも…

…知ってるよ…私も、雅人さんもね…
優香も、琢磨を愛してる…………先の事は、先に行ってから考えよう…
…今は、これで幸せなの…
イズミが、そう話したときだった

あのう……雑誌に乗ってたお店のモデルさんですよね?

知らない女子に話し掛けられたイズミ…

…一緒に写真…撮ってらぁ……

えっ?、彼氏さんなんですかぁ、写真……

俺、逃げ出したんだ

イズミも、じゃぁねって………

裏口からメープルハウスに逃げ込んだんだ

そんな俺達を見てたミキが
イズミ…有名人ね
芸能界からスカウト来たんでしょ?

と言ったんだ

断ったわよ…私は琢磨の会社の監査になるの…
…そのためにつまらない大学に行ってんだもん

そっかぁ、私も調理師の学校、春から行くんだ
お姉ちゃんのお店、手伝うから

ミキが、そう言ったんだ

優香も、英会話行くって言ってたよな?

そう、俺が言うと

見た目はまんま外人さんなのにね

そう言って、イズミとミキが笑ってたんだ

…………えー、剥がすのぅ?

閉店後に、ミキがぶーたれたんだ

剥がしてよ…街、歩けなくなっちゃうわ…

イズミが言ったんだ

オープン記念の、メイプルハウスのポスターは
店の、可愛い制服を着た、イズミと優香が写ってるんだ…

左右に写る二人が
こちらへどうぞと、手を差し伸べた先に
メイプルハウスが写ってて、その絵をハート型にかこむように
メニューが写ってるんだ

………もったいないような気もするけど…
イズミとデートも出来なくなるのは嫌だしな…

そう、言った俺に

芸能界かぁ……昔はあこがれたのになぁ…

イズミ、そう言いながら、ポスターを破いたんだ

……みんな言ってたよね、イズミは芸能界に行くんじゃないかって…

ミキが言うと

琢磨の側に居ないとね、わたし、死んじゃうんだ

明るく、舌を出して、イズミが言ったんだ

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