《MUMEI》
春の珍事
春かぁ、新しい暮らしが始まる季節だなぁ…

今田さんの奥さんが離婚して、旧姓の望月さんになったんだけど

あの家を売り払い、この街に引っ越して来たんだ

望月さんは、今、マナミさんのお店で働いてるから、近くに住む方がいいし
子供たちの、学校でのイジメの問題も、あったのかも………

親が、犯罪者…か…

犯罪者ってなんだろう?
俺だって、法律からすれば犯罪者だし
この店で、働いてる、マサエさんだってね…

マサエさん、憑き物が落ちたように
人が変わったんだ、
未亡人で、子供も居ないオバサンだけど
その身だしなみや、気さくな人柄で
バイトの女子の相談を受けたりしてるんだって…

下手したら、自分の親と同じ歳のオバサンなのに

親に話せない、彼氏とのエッチの事とかを、相談してるみたいなんだ…

確かに、お金持ち風の服で、しなやかな立ち回りをしてるけど…

あの服の下の、エグイマ○コを見たことがあるからかな…

俺の中では、綺麗なオバサンとは、思えなかった…

望月さんは、子供も居るから、生活感はどうしても出ちゃうけど…
…望月さんの方が…そそられるなぁ…

二人を見ながら、そんな事を考えて
珈琲を飲んでたときだった
キモい……男一人で来るの?

聞き覚えのある、声がしたんだ…

…同じ大学の佐久間と、その取り巻きたちだったんだ…

俺、この女嫌いなんだよな…

なんだぁ、琢磨ぁ、お前ナンパ目的かぁ?…店に迷惑だぜ…
…お前、親父と同じ事しようって、獲物探してんだろ?

へらへらと取り巻きの男が言ったんだ

……喧嘩売ってんのかなぁ…めんどくさいなぁ…

…アンタ、出ていきなさいよ…お店の空気が悪くなるわ!

佐久間が言ったんだ

随分嫌われてるんですね?
マサエさんだった

みたいだね…

呆れ顔して、そう言った俺とき
突然取り巻きが叫んだんだ
わかった!どっかで見たことあると思ったんだ
この店のポスターの外人、琢磨が連れてた外人女だよ
めんどくさかったから

ご馳走さま

マサエさんにそう言って、店を出たんだ

その日の夜、イズミから聞いて、ビックリした…

琢磨のお父さんの事をね、マサエさんに、話してたんだって

バイトの子とかにも聞こえててね…

…マナミさん、バケツで水を掛けたんだって

出てけ!って…

訴えるとかなんとかって、大騒ぎでね…
……優香の連絡先教えたら、許してやるとかって…

何で優香が関係あるの?…
…………琢磨の彼女ってことになってるけど……………何でかしらね…

夕食のパスタを食べてるフォークを上に向けて
イズミが言ったんだ…

めんどくせー奴らだなぁ…
琢磨…私の立場はどうなるのかしら?…

…いちいち奴等に説明もしたくねーよ…

……………私の気が済まないのよ…
明日、メープルハウスに、アイツら来るの
優香も来るわ………私も行くからね…

…それ、俺も行くの?

当たり前でしょ!

……………めんどくせー

なんなんだよ

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