《MUMEI》 愛の告白さて、アレックスにそう嘆呵を切るまでは良かったのだが、肝心の彼に告白することが立ち塞がることになった。 アレックスの生き生きとした活力と、エリックとの不仲説は気にはなったが、何より私が誓約した条件を満たさねばならない。 深いため息が漏れる。 「どうしたの?」 律斗にまで心配されてしまった。彼には既に8回心配されてしまった。 「律斗、たまには二人で食事に行こうか。」 「本当?!……父さんと二人?」 彼を置いていくことを気後れしているのか。 「お土産買っていこう。」 大人びた息子だが、こうやって屈託無く笑う姿はやっぱりまだ幼いと思う。 前へ |次へ |
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