《MUMEI》 …どうしたの? ……もう、終わり? 佐久間の声がした… …クソガキがぁ…手間とらせやがって… 男の声… ……ほう…けっこう持ってるじゃねーか… …23万か…確かに金持ち坊っちゃんみたいだな… 俺の財布を手にした、スキンヘッド野郎の、声だった 兄貴、このハイブリット、使ってもいいっすか? 若い男の声 ……ああ、好きにしろ…だが先に、こいつの実家に言ってからだ… 形にハメなきゃ…… ………待て!… ……………ちっ…こいつ…… ダメだ……耳鳴りがしてる くっ……… ガン……ガン…… 自分の足を殴ったんだ ………方目は、血で塞がってた… …見えた光景は、 転がってる男を、スキンヘッド野郎が蹴ってたんだ そして、佐久間の悲鳴…… …いや、なな……まぁ、無かった事にしようや スキンヘッド野郎が、俺の前に来て、言ったんだ 思考回路がいかれてたのかな… 俺の拳は、スキンヘッド野郎の顔面を捕らえてた… 兄貴! このクソガギがぁ! 止めろ!…… …そいつに関わるな… でも…兄貴… じゃかあーしい! ………関わるな……死にたくなきゃぁな… スキンヘッド野郎が、そう言ったんだ… ……とりあえず、兄貴!と叫んだ若い野郎を、ぶっ飛ばした… 俺の拳にそいつの前歯が刺さってた… ……とことん…行くんじゃねーのか? スキンヘッド野郎に、そう言った俺に いや…俺たちは関係ねーよ……… そう言って、スキンヘッド野郎が俺の前に来たんだ… 財布……返したぜ… 俺の懐に、財布を戻したスキンヘッド野郎が、そう言ったんだ ……… スキンヘッド野郎の命令で、佐久間が俺の顔を、濡れタオルで拭いてた… 恐怖におののいてる、佐久間… 佐久間の服は、引き裂かれてた… ……胸元を、隠しながら、震えた手で、俺の血を拭ってる佐久間… おら、しっかりやれ! 隠してんじゃねーよ! スキンヘッド野郎に、佐久間のスカートは引き摺り下げられたんだ… …転がってる奴らの治療費、お前が持ってやれ… …警察なんかに言ってみろ……ただじゃ済まさねーからな… ……何もなかった…いいな!何もなかったんだ! …スキンヘッド野郎が、佐久間に言い聞かせてたんだ 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |