《MUMEI》 そして時は流れ・・・ 高校2年の始業式。 クラス替え、私は2−2。和輝と愛佳と同じクラス。 悠斗は2−3.相川君と陽奈と同じクラス。 和輝とは別れてからまともに話していない。正直気まずかった。 担任が教室に入ってきた。 「担任の吉田だ。これから名前を呼ぶから順番に前から座っていけ。」 すごく威厳のある先生だった。 「青木心、朝丘卓也、井川雄、宇野愛佳・・・・ 愛佳は窓側の後ろの方の席だった。 「戸田桃乃、中辻風香、中野政志、新田和輝、野々村理香、橋本翔太・・・ 私は今のいままで忘れていた。和輝と名字が近かったってこと・・・。 私は窓側から4列目の一番後ろの席。その前はもちろん和輝。 去年は根木君がいたから前後ではなかった。 私は席に着いた。すると 「久しぶりだな、理香。」和輝が言った。私は驚いて頷くことしかできなかった。 何が起こっているのかすら分からなかった。 ―放課後― 悠斗が部活、居残り練をするから私は一人で帰っていた。 すると後ろから「理香ーー。」 「・・・和輝。」 「よっ!!」付き合っていたことを忘れたかのように笑顔だった。これが普通の元カレという存在なのか? 「・・・愛佳は??」 「えっと、別れた。2年になる直前、愛佳が好きな人出来たって言うから・・・」 「別れた!?」 「そんな驚くこと(笑)??」 (私と付き合ってたのにも関らず毎日、愛佳に会いに行ってたのに。それくらい好きだったんでしょ? なのに相手に好きな人出来たくらいで別れるとか私には許せなかった。 でも私も同じことしたのか・・・。和輝に愛佳という好きな人出来たから別れたのか・・・。 でも私にも好きな人がいたから、今回のとは違うよね。) 「私、帰るね。」 そう言ってスタスタと歩いた。 すると、和輝が私の腕を掴んで自分の胸に抱き寄せた。 抵抗しようとしたけど、高校生の男子に力が及ぶわけがない。 和輝が私の後頭部を触り、自分の顔へと運ぼうとした。 思い切り力を出した。しかし触れてしまった。キスしてしまった。 前へ |次へ |
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