《MUMEI》 人違い「あ、おはよー………………う!?」 ―――比呂くんじゃ、ないっ? 目をまるくしてまりえをながめているのは やわらかそうな茶髪の男子生徒だった。 長めの茶髪には細かいシャギーが入っていて ちょっと華奢だけど、きれいな顔をしている。 「おはよー、ってごめん、誰だっけ?俺のファンの子?」 間違えた――――――――――――っ!! なんでっ!?比呂くんはっ!? と彼の背後をのぞくと 比呂は後方の廊下で男友達と立ち話をしていた。 寄り道してるー! 「すいません、人違いでした。どうぞお通りください」 恥ずかしくて顔をふせながら まりえは壁際にどいた。 前へ |次へ |
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