《MUMEI》

…うん……わかってる……でも…私はアサミをほっとけなかったの……

…琢磨に話したんだけど…昔ね…逆の事があったんだ…
…生意気だって、女子の先輩に呼び出されてね…
………アサミが助けてくれたの…
…アサミ、腕に傷あるんだ……消えない傷…

…琢磨に対して甘えもあった…
…ヤられちゃっても…許してくれる…
…私が浮気したわけじゃないから…許してもらえる…
…琢磨があんなに傷つくなんて……

そう話したイズミに

…何で?…許してもらえると、思ったの?

優香が聞いたんだ

……私がやることは…琢磨はなんでも、応援してくれるって…
…最後まで…されてなかったし…危なかったねって…
…イズミ…なに言ってんの?……

…わかってる…だから甘えだって……
……自分でも、何度も確かめたよ…出されてない…って…でも、写真撮られたかもとか…
…ゴム…してたんじゃないか…とか…

………そうね…
琢磨には、あー言ったけど……わかんないよね…
精子の臭いも、唾液の臭いもしなかっただけ…
…濡れたような、痕跡も…なかったけど…

……アサミさんは、された後だったみたいね…
……琢磨を安心させたくて…嘘言ったけど…
アサミさん、酔ってたけど…意識はしっかりしてた…
私がイズミにアフターピル飲ませてたとき、

イズミは大丈夫、されてないよって…アサミさんが言ったのよ…

イズミは……
だから、私、アサミさんにアフターピルを渡したの

…私には必要ないって…言ってたわ…

優香…そう話してた…

…うん…後から聞いたよ…
私に群がったアイツらは…私に中出しする気だったみたいね…
…行きずりの、女…
彼氏が居ようが、旦那がいようが関係ないって…
…やっちまった者勝ち…

…私が惨めになれば、アサミは気が晴れると思ってたって…
……仲間が出来る…
…自分だけ不幸なのは……辛いって…

……どうかしてたって…
気が狂ってたんだって…
アサミ、泣きながら私に話してくれたんだ…

……アイツらが、その気だったなら、出されてなきゃ……されてないはずよね…
イズミ、そう話したんだ

……ゲロ吐いたから、助かったのかもな…

雅人さんが言ったんだ

……必死で抵抗するの…惨めだよね…
…アサミを連れて…琢磨のトコに帰る……絶対帰る……それしか、考えてなかった…

イズミ、そう、話したんだ
…よく、部屋から出れたね…

イズミに、聞いたんだ…

うん…アサミから、聞いたの…
…意識が…途切れがちだったけど
必死に抵抗してる私を見てね…
…アサミ、果物ナイフを手にして…
…私に手を出したら…警察沙汰にする…そう言ったんだって…

イズミ、そう、話したんだ
…イズミの気持ちが、アサミに届いたんだな

雅人さん、そう言ったんだ

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