《MUMEI》
502号室、真紀。
夜、聞き慣れ無い音で目が覚める。瞑りそうな目を擦りながら時計に目をやる。 まだ横になってから、一時間も立たない。音に眠りを邪魔された。ベッドのスプリングを軋ませベッドから降りて、キッチンまで行く喉ががらがらだ。 冷蔵庫を開き、中を見るけど案の定何も無い。 仕方がないから、コップに水を入れて飲み干した。 ベッドに這い上がると、恋人のマサルが鼾をかいて寝ていた。 またあの音が聞こえた、鼾なんてかきけされるくらいに不快な音。 泥の中に手を入れて捏ねくりまわしたような音。私は音を聞かないように目を瞑る。



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