《MUMEI》 涙……………。 はあぁぁあ!?? 巧斗に連れてこられた場所は トイレの前。 こーゆう時は普通、 屋上とかに連れてくもんじゃね!? 「お前さぁ」 「な、何?」 いきなり話しかけんなよ!! 「何?…じゃねぇよ! なんだよその格好…」 「イメチェンだけど?」 つーか…巧斗何キレてんだ? 「―…ッ マジありえねえ…」 言いながら巧斗は髪をくしゃっとして 顔をしかめた。 「何がありえねえんだよ…」 なんでそんな顔すんの…? 「つーかなんでいきなりイメチェンしたんだ?」 「そりゃ女子らしくなろうと思ってだけど…」 「…まさか好きな奴でも出来たとか?」 「!!?」 な…なんでわかんだよ!!? まさかバレたか!!? 「…は?マジそうなわけ?」 巧斗は本気で驚いた顔をして 私を見た。 「…そっ、そんなの巧斗に関係ないじゃん…?」 明らかに動揺しながら言う。 「…ッ…確かに俺には関係ねぇ。 好きにしろよ。」 「…!言われなくても好きにするし!」 「あっそ。 つーかその格好、全く似合ってねぇし。」 「……!!」 胸がズキッてしたのがわかった。 あぁ、慣れない事しなきゃよかった。 ポロ… 気が付くと頬に涙が伝っていた。 「―!!! あ、今のはその!違っ…」 私が泣くと、巧斗は途端に慌て始めた。 「いーよ別に。 巧斗がそう思ったんだったら…。 最初から…ッ…わかってたし…!!」 最後ら辺はもう泣きすぎて 声が震えた。 情けない。 いつも強気な私が巧斗のたった一言で こんな傷ついてるなんて。 居ても立ってもいられなくなり その場を立ち去った。 前へ |次へ |
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