《MUMEI》

「悪い子ね・・・・」
貪るような長い口づけの後、唾液の糸を引いて唇が離れると、ガイアは白い美貌に微かな血の色を上らせて、息子のゼウスを見た。
その瞳は血のように濃い真紅の色をしている。
「母上に調教されたのですよ」
ゼウスが乳房の底に添えた手で、持ち上げるようにガイアの体をさらに自分の方へ引き寄せたので、細身の上半身が水の雫(しずく)を滴らせながら、湯舟の外に完全にあらわとなる。
まだ処女のように初々しいふっくらした頬をした侍女は、恥じらうように瞳を伏せて、母子の背徳の戯れの傍らに控えている。
「見るのだ!」
ゼウスは細身の体に不釣り合いな母の乳房を、相変わらずたわたわと揉みながら、侍女を鋭い眼でじろりと睨みつけた。
「そのほうが母上も燃える・・・・」
ゼウスがガイアのうなじで光る水滴を、舌ですくって舐め上げる。
「ああ・・・・ねえ・・・・」
ガイアが体をのけ反らせ背後のゼウスをねっとり見つめると、自ら舌を出して息子の舌を求めた。
荒い息と共に、再び二つの舌が別の生き物のように戯れあう。
白い繊手が背後へ伸びると、愛おし気に服の上からゼウスの熱いこわばりを握りしめた。
その手が形を確かめるように、ゆっくり上下に動き始めると、
「うう・・・・」
ゼウスも苦し気に眉を寄せ、一瞬眼を閉じる。
込み上げる快感を紛らすように、ガイアの柔らかい乳房にさらに強く指先を食い込ませた。
「あっ・・・・もっと・・・きつく・・・!」

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