《MUMEI》 ハッキリと言われたその一言、 『信用してねぇ』 ―――――たしかに、 もし自分が逆の立場なら同じことを思うだろう。だがらこそ痛感する。自分の立ち位置に… 「……わ…かってますよぉ、あたしが此処に居るのは見張ること前提で住まわしてもらってるんだし、信用ないのも無理ない身です」 「そうか、わかってんならいい。洗いもんさっさと済ませて寝ろ」 「はーい」 スタスタ自室に戻る遊佐さん、あたしはなるべくいつも通りいつもの口調で軽く返事をしたが、やっぱり…………… 居場所のない感覚がとてつもなく重い―――。 あたしとゆう存在はこの世界に必要ない 繋がりひとつつくれない これが他所者とゆう証 「ハハ、苦しいな」 家族に友達に、誰でもいい会いたい。あたしとゆうものを知っているなら誰でも…… だからあたしの存在を認めて―――― 人間は一人ではなんの役にもたたない 人間は孤独には勝てない 人間は…… ―――――――――弱い。 ▽▼ 次の日、 あたしは朝から調子が良くなかった。 熱があるわけでもない、吐き気もない、けど確実に体調の変化は感じ取れた…。 「顔色悪いぞ」 そう言ってきたのは予想外にも一架さんだった。いつも横暴でメチャクチャな人だからこういった敏感なことには気付かないと思っていた。 一架さんはその綺麗な顔を覗きこみ顔を険しくする 「休んどけ」 「大丈夫ですよ」 「嘘つくな、血色悪すぎて不気味だぞ」 「アレ、それは酷くないすか?」 「朝餉の支度はあたしがするから」 「止めてくださいいい!それだけは、それだけは止めてください!」 この人、ホント残念なほど料理の才能が皆無で皆一架さんに作らせないようにしている。 前に一回だけ食べたが、アレは口に入れていいものじゃない。例えるならセメントみたいな味。いや、セメント食ったことないけどそんな感じ 酷いんだよ。泣きたくなるほど酷いんだよ。 「前は失敗したが今度はいける気がする!」 気がするだけでしょ どうしてそんな前向きなの!? 前へ |次へ |
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