《MUMEI》
文化祭実行委員
まあ、考えてみれば当たり前だ。

あのとき駅には自分と比呂のほかにも下校中の生徒がたくさんいたわけで

そこで衝動のまま告白してしまった自分があさはかだった。


肺がへこみそうなほどため息をついて

まりえは先生に連絡された教室のドアに手をかけた。

まりえは文化祭実行委員なのだが

今日はその集まりがあるのだ。

本当なら卒業式が終わったら、みんなとカラオケに行くはずだったのに。


朝は変な人のせいで比呂くんにあいさつもできなかったし

カラオケにも行けなくなるし

なんか、今日はほんとについていない……。


でも、そこまでついていないわけではなかった。

ドアを開けたまりえはビックリした。


比呂くん!

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