《MUMEI》 元カノ学校サボってゲーセンって 高校生って感じで1回やってみたかったんだよね。 「何したい?」 「う〜ん…」 ゲームセンターって何すれば良いんだろ? やっぱ太鼓の達人とか? なんて一生懸命考えているとふと目に映った物。 「うわぁ〜…かわいいッ!」 UFOキャッチャーの中の ピンクのくまのぬいぐるみ。 激カワユス!/// 目はそのくまを見たままバッグの中に手を突っ込んでまさぐった。 チャリン… ウィーン…ウィー…ン… ボトン。 「ほい」 「あっ、ありがと…」 返答せず 龍河はスタスタと歩き出した。 私も後を追おうと小走りした瞬間― ドンッ! 「わ…っ」 「いたぁい!何!?」 ギャルの女の人とぶつかった。 その反動で 私は床に倒れ込んでしまった。 「美鈴!大丈夫か!?」 龍河が私に駆け寄るとギャル女は呑気な声を出した。 「あれー?龍河ぢゃん!」 「あ?…誰お前」 ギャル女を睨みつける龍河。 「えー!?亜希奈だし! 普通元カノ忘れるぅ?」 元カノ……? 龍河の表情が怖くなった。 「……どの面下げて俺の前にいんだよ」 「まだ根に持ってんのぉ? ちゃんと謝ったぢゃんかー」 「…」 何…? "俺達過去になんかあったぜ" みたいな雰囲気……… 「…行くぞ美鈴」 「え?…うん…」 いいの…かな? っていうか私が 亜希奈さんって人に睨まれてる…? 「龍河だって、あの時 ウチの事止めなかったぢゃん!!」 「…」 "あの時"って何…? 「……だから?」 「だから…龍河だって悪いぢゃん!!」 亜希奈さんは 泣きそうになっていた。 「…人のせいにすんなよ つーか別にお前なんか興味なかったし」 冷たく言い放つ龍河。 「ウチが裏切ったから…?」 「は?自意識過剰?つーかうぜぇ顔 見せんなよ。消え失せろ」 「うっ…」 バチン! 「…!?」 私は思わず龍河の頬を叩いてしまった。 龍河と亜希奈さんは驚いて私を見る。 「美鈴…?」 「龍河ひどいよ…今の言葉は!」 「「…!」」 「次使ったら…嫌いになっちゃうから…」 ならないけど。 事情がどうあれ さすがに龍河は言い過ぎたと思う。 「…ごめん美鈴…もう言わない」 「あ…私もごめんね? つい叩いちゃって…」 さっきまで怒ってたのに まさか龍河がこんなにしょげるなんて。 叩いたのが申し訳なくて仕方ない。 「なによ…見せつけちゃってさぁ!」 亜希奈さんは怒りの声で叫んだ。 「ムカツク…!!」 言うとゲームセンターを出て行ってしまった。 前へ |次へ |
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