《MUMEI》
忘れてしまった妹
                  
お兄ちゃんが帰った後

圭汰と一緒に帰った。


「宇理…平気か…?」


歩きながら圭汰が心配そうに
私を見た。


「うん、低い所から落ちただけだから
体もあんまり痛くないよ?」

「体も心配だけど…心だよ…」

「心…?なんともないけど?」


笑って言うと圭汰はまた驚いた表情で私を見た。


「何驚いてんの?
なんか気分がいいんだよね〜」

自然と笑っていた。


この時の私は

大事な感情を無くした事に

気付かなかった ――…
                  

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