《MUMEI》

俺たちもう少し、デートするから、と、サエさんを見送ったんだ

翔太…歌下手ね…

姉ちゃんが言ったんだ

自分が上手いからって…だから歌いたくないって言ったのに…

…サエの唇、良かった?

…わかんない…突然過ぎて
………ムカつく…

俺も、姉ちゃんにムカついたよ…

私はサエにムカついてんの
さっき、二人で何か話してたじゃん…

何で、私の前で翔太にキスしたのって聞いただけ…

避けなかった俺が悪いんだよ…
…何が…コンタクトだよ…避ければ避けれるよね…
姉ちゃんも、同じだよね…
…サエに言われた…
サエにはね、キスされたことを話したって…言ってあるの…
見られたじゃ…変すぎるでしょ…
……翔太が傷つくよって、言われたわ…

…想像だけどね…
多分、サエさんの元カレが、姉ちゃんに迫るかどうか……言い出しっぺは姉ちゃんでしょ?…

…どうしてそう思うの?

…普通頼まないよ…そんなこと…

…そうね……悩んでたから、後押ししたかったの…
…サエには話してないけど…私の友達の中にも、食われちゃった子…居るんだ……別れた方がいいよ…

そんな危険な男の車に乗ったんだ?…
…乳ぐらい揉まれたんだろ?…

股に手を入れて来たよ

!……させたの?…

まさかぁ…ガードしたわよ
…連れ去られて犯されてたかもね…

……可能性はゼロじゃないけど…あの人、諦め早かったよ
私の彼、タクヤの取り巻きの前歯折ってるんだって…言ったら…手を引っ込めたわ…

…構わずヤル奴はヤルよ……

…翔太、私を独占したいの?…

……なんだよ…

…私の身体は、私のものよ……独占したいなら、言うことなんかないの?…

……………姉ちゃん、そう言って、足を止めたんだ

…言ったら…独占できるの?…

…どうかな…私が決める事だから…今は、答えない…
…………言わない
俺も、姉ちゃんと同じことする…

俺、歩き出したんだ

…ま、待ってよ…
同じことって…なによ…

後ろから、姉ちゃんが言ったんだ

誰と、何しても構わないんだろ?…

…振り向き、そう言った俺に

…やだよ……しないで…

なら、自分はなんなの?

…私だって迷ってるんだよ!…翔太は……弟だもん…
じゃぁ…終わりにしよう…みんなに、別れたって、言っといて…
…俺…だれとも会わないから

翔太………

姉ちゃんを置いてきぼりにして、帰宅したんだ

姉ちゃんも、直ぐに帰ってきたけど…

顔を会わさないようにしてた…

もう…嘘は限界だよ…

そう、感じてたんだ…

…みんなにも、嘘ついてたくないし…

姉ちゃんは…ドキドキしたいだけなんだ…

…楽になりたい…

姉ちゃんの、身体に夢中になってたはずなのに…
…姉ちゃんと、エッチしたかっただけなのに…

…俺…姉ちゃんを好きになってる…
……血がつながってるんだ…先は…無いもんな…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫