《MUMEI》
妹の違和感
                  
お昼になり

沙奈とお手洗いに行った。


「ちょっと待ってて〜♪」

「うん♪」


トイレの前で沙奈を待っていた。


その時――

廊下が騒がしくなった。


「…?」


見てみるとお兄ちゃんが女の人と歩いていた。

それを遠目で見ていると男子に
声をかけられた。


「宇理ちゃんでしょ?陸斗の妹の」


その人を見た瞬間ギョッとしてしまった。

銀髪で黒メッシュの鋭い目付き。

上履きのスリッパを見ると兄と同じ
3年の先輩だった。


見た目からして怖い…!!


「…そうですけど…?」

「やっぱり。宇理ちゃん今3年にスゲェ人気なんだよ」


「…はぁ…ありがとう…ございます?」


だから何…?

どうしろっていうの…?


「俺さ…
宇理ちゃんの事ずっと見てたんだよね」


「…!!」


ずっと…見てた…?


「だからメルアド教えてよ。」

「えっ…」



「何してんのぉ?」


見ると
目の前に女の人と兄が居た。


「この子口説き中」

銀髪黒メッシュの先輩が言うと

女の人は静かに笑って

兄は怖い表情で先輩を睨んでいた。


「妹ちゃんモテるねぇ〜」

言いながら兄の腕にしがみついた。


その光景に


なぜか違和感を感じた ―…

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