《MUMEI》
続き
休みも開け新学期を迎えた。

噂は噂をよび、たちまちにあの人と元カノのあの子がよりを戻した というのが広まった。

私は私のけじめをつけるためあの人に「より戻したんだね…良かったね」ってあの人に言ったんだ。

あの人は無表情で…初めて見る怖い顔で…頷いた。

私があの人の事が好きだったと知っていた友達は…失恋には新しい恋だよって男子を紹介してくれたりしてくれた。

でも、そんな気にはならなくて昔の事を考えていた…前よりも静かになってしまった…私に気を使ってか、仲のよかった斎藤くんが話しかけてくれた…。

斎藤くんはいつも優しくていろいろ助けてくれていた人だった。

また、迷惑かける訳にはいけない…。
私は斎藤くんに冷たい態度をとってしまい。

それが…申し訳なくて…。

でも、どんなに冷たい態度とっても斎藤くんは優しすぎた。

毎日毎日、朝のおはようから帰りのまた明日まで…斎藤くんはいつも言ってくれた。

私は無表情で無視したりしても変わらなかった。


斎藤くんにはもぅ迷惑かけられない…そう思った私は斎藤くんに話した。

「もう、私に関わらないで…」
斎藤くんは一瞬悲しい表情を見せた。
だから、分かったって言ってくれると思った…。

斎藤くんが言ったのは思いもよらない言葉だった…


「俺はあんたを守れってあいつに言われたんだ。」

「あいつ?」
斎藤くんが言うには、あの子は私の事が嫌い…それは、ライバル関係なだけではないって事は知っていた。

斎藤くんと私とあの子しか知らないことがあった。

でも、あの子があの人に言ってしまったということだった。

それで私のために付き合ってるということだった。

だから、あの時無表情だったのかななんて思ったりしていて斎藤くんが言ったのが聞こえなかったんだ。

…「それだけでおまえをまもってるんじゃないんだ…好きなのに」…。

ううん、聞こえないフリしたんだ…斎藤くんは私が好き?なんて…有り得ないことだから。

斎藤くんはあの子の彼氏だった…。
今でもあの子しか見ていない。
あの子のお兄さんは私の元カレだった…。

でも、5年間前あの子のお兄さん、アサキが事故にあい…死んでしまった。

そのせいでシングルマザーだったあの子のお母さんがたおれて半年前に亡くなった。

その真実を知ってるのは私とあの子とあの子の当日彼氏だった斎藤くんだけ…。

私はアサキが好きだった…今も好き…。

結婚を考えていたくらいだったんだ。

でも、アサキがあの子といるところを見て浮気だと誤解したからその誤解を解くため私のところに来ようとしたら事故に会ってしまった。

あの子がアサキの妹だって知ったのは高校生になってからだった。

悪いことした私は、幸せになれないの…。

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