《MUMEI》
コンフェシン
「俺は自分から告んないですね」

「えっ?なんで?」

「絶対振られるに決まってるから…。」

アークとの仕事の時は、大抵恋ばなに始まり恋ばなに終わる。

「俺はフィーさんみたいにポジティブにはなれない。」

「え、そうなの?」

思いもよらず、アークの恋愛は消極的だった。

しかし、それ以上アークの中に踏み込むことはできなかった。

私はマイフーリッシュハートの時に出てきた男が、やっぱり好きだった。だけど、その思いを封印しようとしていただけ。

「だって、気が付いてるんだか気が付いてないんだか、わからないんだもん。」

「それはきっと、向こうだってまさかっ!?って思ってるじゃないすか?
相手がフィーさんだから。
あ、あと、フィーさん、その人に暴言吐いたりしちゃダメですよ。」

…図星だった。振り向いてほしくて、構ってもらいたくていつも、強気に出るのは私の方。よくちょっかい出してた。

「フィーさん、案外ガキっぽい…☆」

「ちょ、ちょっとぉ!なんで君にわかるわけ!?」

「そういうところが、ガキっぽいです。
…でも、そこがいいんですけどね。」

…えっ?アーク今なんて言った?

その時、楽屋のドアを叩く音が。

「そろそろ次のステージをお願いします」

お店のバイトの子だった。ショートカットのかわいい女の子。すかさずアークが話し掛ける。
「あれ?君、この近くのK大の子じゃない?」

「は、はい」

何、バイトの子に声かけてんの!内心思いながら、

「さあ、次のステージ。行きましょう」

ったく、自分からは告んないなんて言ってるくせに、どうして気軽に声かけられるんだろう。あとで、とっちめてやろう…!
ステージ終了後の楽しみができた。

「よろしくお願いします」
よし、アーク気持ちを切りかえたな。

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