《MUMEI》

誰よりも遠かった 一度も思ってはならなかった 名前の一文字目も浮かべる事を許さなかった そんなの嘘にされるだろうから 本当に何も考える事も思う事も禁じた あなたと関わりのない全ても人間の感情全部も止めたらあなたを浮かべた事がないのは嘘ではなくなるから 本当にそれをやり続けずっとずっとそれを絶対に間違えも破る事もしなかった 生きている意味などなかった 名前を声に出した事がなかった あの年月の中で一度きり以外 時が来た初めて声に出す事を決めた日 発音するのに何時間もかけて声に出せずにいた 呼ぶ事も描く事も思う事も考える事も一瞬も許した事はない 何を凍らせたか人間の脳で思い出させる事も許さなかった でも人間の思考や言語じゃない脳を持たない動物か何かのような意識でさえない凍らせたものをただずっと持ち続けた この世で誰よりも誰よりも一番遠くこの世にはあなたがではなく私はいないと同じだった 一度もあなたを侵略した事はなかった あなたから最も離れている事を間違いなく守らせた あなたと関わりのないどんな人よりもずっとまだ遠く離れた場所にいさせた 誰よりも遠かった あなたは生きていられる為に そうでなければ意味がない あなたと会わなければならない日 二人目とも違う別の人間がいつも来た 一度だけ止める間もなく声が発されたのはそんないつかの帰り道だった あなたと会った日は動物のような脳でその一晩きりだけあなたの真実だけは受けなければならなかった あなたが出したい答ならばそれは必ず受け取らなくてはならない いつしか自身にもっと完全に死ななければと言い始めたのはあなたが私のせいで生きれていないと思った時から 思考しない人間でない事を完全にしてもダメなら生きていないのと同じになればいいと思った あなたの先になるほど重度を増すはずの耐え難い答をどのみち生きたままで受け取れる術もなかった

あなたの名前を呼び始めてから距離はまるでわからなくなった あなたの名前を発声した時もう戻ってしまいたくはないと思った

一番遠くていい あなたを慕うどんな人よりも他の誰よりもずっと最後の最後でいい たくさんどころかほんのわずか過ぎる量でいい だからウソじゃなくてホントの分だけ 思ってもらえませんか ただ本当の分を 形になどならなくてもいいから21

わたしが使うことのできない数多くの大切な言葉をあなたはすべて注いでしまった あなたへ使った限られた言葉は他の誰に向かったものではない そのままの言葉は使われずに拾い集められた代わりの言葉は非難などの目的なんかで集められたものはない その限られた言葉に託した本当のすべて 言葉の真逆の意味を表にも裏にも両方生かしたいのはいつも最初から 触れられないもの直接届けられないものを 世界のすべてを言葉の両側ともで自分の分身として集め送られている だからそれをあなたとあなた以外のものに変えてしまわないで あなたのものとして受け取ってほしい08-12

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫