《MUMEI》

マサキさん、大反対だった
…なにかあったの?
マサキさんとタクヤの間に…

俺、直球を投げてみた

……昔は、いいやつだったよ…
奴の、母親が亡くなるまではな…
……変わっちまったよ…アイツは…

マサキさん、そう、話し出したんだ

…………

マサキさんの話を聞いた姉ちゃんが

…結局…アンタもやってたんだ…最低…

軽蔑した目を見せ、マサキさんに言った姉ちゃん…

…目の前に、ヤレる女が居たら………そう言う年頃だったし…わかるだろ…

マサキさん、俺を見て、助けを求めるように言ったんだ

…カオリともやったの?

サエさんが聞いたんだ

…いや…その頃は、俺はもう…奴とは疎遠になってたよ…

そう、答えたマサキさんに
…中学生も、食ったんでしょ?……犯罪よね
だから?…骨折られても、警察沙汰にしないんだ?

姉ちゃんが聞いたんだ

違うよ…警察沙汰にしたところで…その場の一時しのぎさ…
…取り巻きは、捕まるかもしれないが……奴は…捕まらないさ

マサキさんが、そう言ったんだ

なるほどね…優香の件にしても…そうだよな…

そう言った俺に

タクヤは女に不自由してねーからな…
勝手に股開く女がたくさんいるしな…
…ヤバい事は、自分ではしねーよ…
周りにやらせて、楽しんでんのさ…

マサキさん、そう話してた…

…変わった奴だね…
母親が…亡くなった…か…………甘えてんじゃねーよ…タクヤに会うか…
居場所教えて、俺、行ってくるよ

ダメよ、ひとりでなんか!
優香を連れてくわけにいかねーだろ?…

一人じゃ行かさないわよ!
そんな会話をしてるときだった

インターホンが鳴ったんだ……

…向こうから来た…
カオリが…訪ねて来たんだ…マサキさんの家に

………

お揃いのようね

俺らを見て、カオリが言った…

…ひとり?

サエさんが聞いたんだ

…警戒してるんだ?…
…ふん…サエなんかに用はないわ…
…そこのバカ女と、その彼氏に用があるのよ…
…大人しく一緒に来たら、もう、サエとマサキには手出ししないわよ

勝ち誇ったような顔をして、カオリが言ったんだ

…パシリのアンタに、そんな権限あるの?

前に出て、そう聞いた俺に、ムカついたような顔を見せ、何か言おうとしたカオリに

能書きいいからタクヤを呼んで来い…
…用ある方が出向くもんだぜ…

カオリに、そう言い放ったんだ

………カオリが電話してた
そして、話が決まったんだ

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