《MUMEI》
龍河の兄
                                    

「…ほんとに大丈夫かなぁ?」

「俺と居れば大丈夫だって」


制服デート?の後すぐに龍河の学校に来た。


他校の制服だからか

いろんな生徒から注目を浴びてしまう。



「えー…高杉弟が女連れてるー…」

「ありえねー…」



何…?

なんか雰囲気おかしくない…?


みんなが龍河を蔑んでる様な……



「美鈴?どうした?」

「あッ…なんでもないよ?」


龍河って…この学校では

どんな感じなんだろ…??


思いながら歩いていると

人気のなさそうな倉庫に着いた。



「龍河だ…」

「似合わず清楚な女連れてやがる」



中にはいかにも不良な男子生徒が

たくさんいた。


しかもその1番奥には――




「よォ」



茶髪に

左分けで長めの前髪の男の人が

豪華なソファに足を組んで座っていて

親しげに話しかけてきた。



「……」


龍河はズカズカとその男の人に

向かって歩いて行く。



「その可愛い子彼女か?」



ヘラヘラと笑ってるけど

すごい存在感…


ボケッとその男の人を見ていると



「兄貴に関係ねぇ。鍵貸せ」


「冷てぇなァ…兄ちゃん寂しい!」



……えっ…


「龍河のお兄さん…!?」


そんな感じもしていた。


この存在感と言い美形さと言い、

龍河と瓜二つ。

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