《MUMEI》

「いや、何かしらあっていいと思う」

「え!?」


バイトで疲れてる私にそんな真剣な顔であなた…。

バイト帰りに真樹達との学校での会話を話したら、何の間もなく即答陽希くん。


陽希がこうやっていつも私のバイト先までわざわざ来て、家まで送ってくれるのも、2年続いていること。

陽希は進路があるからって、もう1ヶ月前にバイトは辞めちゃって。

私も迎えに行ってたよ?バイトが重なってなければ。

結局、陽希が私を家まで送ってくれちゃってたから何の意味もなかったんだけど。

来てくれてただけで陽希は嬉しかったみたい。


「…陽希は波乱万丈な恋愛が理想だったりするの?」

「いや、そうじゃなくてさあ…本当に俺ら何事もなくここまできちゃったじゃん。
いいことなんだろうけど、周りから見たらつまらないカップルじゃない?」

「周りがどう思おうが関係ない!私達は私達だもん!」


私は陽希が好き。
そして陽希は私を好きで。

それでいいじゃん。
つまらないカップルでも構わないもん!

やっぱり、真樹と香奈がちょっとドラマ見過ぎなんだよ。

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