《MUMEI》

                                    
   2階だからすぐに着いた。


   私は躊躇なく教室に入った。

   でもその行動が間違いだった



       「…!」


   誰も居ない教室の後ろで

   京弥が玲菜とキスしていた



       カタン…


     鞄のキーホルダーが

   ドアの柱に当たってしまった


   2人はパッとこっちを見た

   同時に京弥は目を見開いた


    あぁ、バレちゃった…


   でもさすがにキツいなぁ…


「ごめん、机の中に携帯忘れちゃって」
  

  あはは、と笑って見せたけど

    うまく笑えてないのが

     自分でもわかった。


   2人は黙ったままだった。



  さっきみたいに雑談してよ…

 涙を堪えて居ると鼻水が出てきた


鼻水を吸ったら泣いてると思われる…

  携帯を机から取るとマフラーで

    鼻下まで覆い隠した。


 2人に一応何か言おうと振り向くと

   2人共私をじっと見ていた。


  キスの光景を思い出してしまい

    言葉が震えてしまった。



   「お邪魔っ、しま、した…っ」



    ついでに最後に涙まで。


    慌てて教室を出て走った。



                                    

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