《MUMEI》
思い出させられた妹
                                    
「ちょーっと今デート中だから雑談は
学校でしてくんねぇか?」

「あ、すみません」

圭汰は男の人に謝ってた。


でも

私はそれどころじゃない。


「篠先輩…さっき兄と付き合ってるって言いましたよね…?」

私は篠先輩を睨む。

「付き合ってるわよ?彼とも」


「兄は遊びって事ですか…?」

怒りでオレンジジュースを少し握り締めながら聞く。


「遊びにもならないわよ、アイツは♪」


バシャ!!!!!!


「!?」

「宇理!?」

怒りでオレンジジュースを先輩の
顔面めがけてぶっかけていた。


「何すんのよ!!!?」

篠先輩は怒りだした。

「お兄ちゃんの見る目のなさに苛立ってるんです!」

篠先輩を睨み付けながら帰ろうと立ち上がると

バシッ!

「ブラコンのお前に言われたくねぇんだよ!陸斗にウザがられてんのがわかん
ねぇのかよ!?お前は陸斗が好きなんだろぉけどなぁ!陸斗はお前が大嫌いなんだよッ!!」


なんだ

そういう事か…………


「篠先輩…ッ!!すみません帰ります!」

圭汰は私に掴みかかる篠先輩を離して
店を出た。




「宇理…大丈夫か…!?」

「……」


ダッ!


「宇理ッ!!?」


とにかく走った。


「……ッ」

泣きながら走ったせいか涙は頬じゃなくこめかみを濡らした。


あぁ

なんで忘れて居られたんだろう

私はずっとお兄ちゃんだけが大好きで。


でも私はお兄ちゃんに

冷たくされていた。

あの瞳で睨まれていた。


嫌われていた……!!

                                    

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