《MUMEI》
喜ぶ兄
                                    
放課後になって帰ろうと教室を出ると


「陸斗ぉ〜デートしよぉ〜?」


あーマジでウザイ。

毎日毎日付きまとって来やがって。

こっちはお前のせいで疲れてんだよ…


「バイトあんだよ…ついて来んな」


冷たく言って睨み付けて足早に家に帰った。

バイトなんかねぇけどな。

好きでもない女にずっと付きまとわれるのは

さすがにストレスがたまる。





家に着くとまだ宇理は帰ってなかった。


親も仕事で今日は帰り遅いし、

好き勝手出来る。


制服のままリビングのソファに座って目を瞑った。


カサカサ…


あ?

嫌な予感がして音のした方を見ると


カサカサ…


「!!」

ゴ〇ブリが床を歩いていた。


「チッ…」


虫苦手なんだよ!俺はッ!

棚の上に置いてあった殺虫剤を取った時


ガタン!バサッ…

箱が落下して書類が床に散乱した。

直そうと書類を一枚ずつしまっていると


「…ん…?」

一枚の書類に目が止まった。



「……は!?」

俺は信じられない物を見つけてしまった。

読み終わった後の俺は

今までで1番爽快な気分だった。
                                   

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