《MUMEI》
知ってしまった兄
                                    
ガチャッ!バタン!ドサッ!


いきなり玄関の所から騒がしい音が聞こえてきた。


「宇理か?」

玄関に歩きながら呼び掛けた。


「うっ…ふぇ…ヒック」

玄関で宇理がうつ伏せで倒れていた。


「宇理!?大丈夫か!?」

起き上がらせようと持ち上げると目が合った。

同時に宇理は怯え始めた。


「やっ…やめて…!いやあぁッ!!」

俺を怯えて突き放す。


「どうした宇理!!」


「またあの頃に戻るのは嫌!
そうなるくらいなら死ぬ…ッ!」

パタン…

倒れた……違う、寝てるんだ。


つーかどうしちまったんだ…!?

最近はずっと笑ってたのに…

突然この変わり様はおかしいだろ


ピンポーン!


こんな時に誰だよ…!


「宇理!居るんだろ?さっきのは違うからな!?」


…は?

なんで藤崎が来たんだよ…!?

"さっきのは違うからな" …?



ガチャッ!ガシッ!


「テメェ宇理に何しやがった!」

ドアを開けて藤崎に掴みかかった。

藤崎も目を見開いて俺を見た。


「陸斗先輩…!?
違うんです!篠先輩が…あっ!」

篠…!?

なんで篠が出てくんだよ!?


「来い。全部話せ」

「…っ…」


宇理を部屋のベッドに寝かせて藤崎を
リビングに通した。


「座れよ」

「…はい」


2人分のコーラの入ったグラスを
机に置いて座った。


「…さっき宇理が俺を見て怯えたんだ…前みたいになるなら死ぬって言って」

俺は藤崎を見て言った。

藤崎はなぜか冷や汗をかいていた。


「最初から全部…話します…」


藤崎は浮かない顔で話始めた。


――――――…                  
――――――――――……    
                                      

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