《MUMEI》
1ーC
俺は、今教室の前にいる。教室の中には、人影がなにかをしている。俺は、勢いよく深呼吸し教室の中に入った。今思えば、この事件のお陰で俺は、大切な人と出会えたかもしれない。

教室の中には、探偵帽を、頭にのせ、死体があっただろう場所を、見ながら、ふむふむといっている、女学生がいた。
「君は、誰だい?」と女学生は、言う。
「僕は、川原 刹(かわはら せつ)今日転入してくる転入生だった。君は?」
「君の名前は珍名だな、思わず笑いそうになってしまうよ」と彼女は、笑いを、こらえている。
「失礼だなあんた!」
「すまない、名前だったか、私は、1ーAの、古原 姫(こはら ひめ)というものだよ、よろしくな、しかし君も物好きだな、休日の学校に来るなんて」
「知らなかったんだよ、休日だなんて!」
「そうか、まっどうだっていいがな、これを見たまえワトソン君」
「なんだ、その呼び方?」
「シャーロックを、知らないのかい?」
「シャーロックは、よくは、知らないが、何故俺が助手になってんだよ」
「助手みたいな顔をしてるじゃないか」
「だからって助手にするんじゃない」
「まっ馬鹿々しい話は置いておいて、これを見たまえ川原君、これは、死体跡だ、なんだか変だとは思わないかね?」
その死体跡の回りには、血痕あとの他に、紫色の粉末が床の隙間にほんの少しある。
「たしかに、変な粉があるな」
「これは、なんだと思う?」
「紫の粉末?」
「そうだが、もっと細かなものを期待していたんだが・・」
そう言われ、俺は、粉を掬い上げ、にほいをかいだ。
「タバコのにほいがする。」
「君が真相にたどり着く前に私の10代が終わってしまうよ。言ってしまうとね、これは、サラスコスモスと言う花の花粉で、人間の・・いや違う・・使い方によって、生物全体に幻覚と共にあるものを欲しがるようにするものなんだ」
「なんでそこまでわかるんだ?」
「それは簡単だ、その花が、この教室にあったんだ。」
「それで人に聞くのは、ひどいんじゃないか?って言うよりも、そんな花管理してて平気なのか?」
「最近では、観賞植物として扱われているんだ。それで話の続きだがな、その欲しがるものとは・・・・」
「欲しがるものとは?」
「通常以上の快楽だ」
「通常以上の快楽?」
「例えば、薬物の作用で、ドーパミンを、大量に、流したりするときのやつとかだよ。」
「そんな・・・・ってことは、この花は、事件に関係しているのか?」
「私の推理が間違っていなければだが・・」

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