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《MUMEI》 ｢私より二郎のが昔は可愛かったもん｣ ｢そうか？褒められた気がしないんですけど｣ 昔って言われてもそんな記憶ないし。 ｢今はどうなの？｣ ｢かわいいかって？｣ かえでがまだふざけている。手を叩いて喜ぶ癖とかは覚えているんだけれど。 ゲーセン来たのに手持ちが少ない。七生に関しては無一文である。 あまり気が進まなかったけれど三人で撮ったプリクラだってかえでと折半だ。 ｢コインゲームしたい｣ 七生にせがまれて百円玉を渡す。 ｢走るなぶつかる！｣ 聞こえていないのか、奥へと消えた。 追いかけて行こうとしたが俺が店員とぶつかった。 ｢すいません｣ 随分大柄な人だ……。恐面だから一見分かりにくいが以外と若い。 ｢…………｣ 無言で去って行った。睨まれたような気がする。あれが元からならばさぞ苦労したことだろう。 ｢二郎！｣ かえでが後ろから飛び込んで来た。 やばい、腰にくる。 女子との触れ合いよりも体を心配している自分が悲しくなる。 枯れてるのか？ 前へ |次へ |
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