《MUMEI》

不意に刺すような視線を感じ、アクエリアスはギョッとして立ち止まる。
右斜め数メートルの距離に、モヤモヤした黒い
霧状の塊がたゆたっている。凶々(まがまが)しい気配を放つ『それ』は、始めぼんやりしていたが、アクエリアスが注目
したとたん、まるで己の存在を示すように、にわかに濃度を増していった。
それと共に黒い霧の真ん中辺りで赤い光が二つ灯(とも)ると、サーチライトのような強烈な輝きを放ち始めた。
その真紅の光はまるで・・・・!!
と、次の瞬間、その二つの妖星から、熱風のごとき衝撃波がアクエリアスに襲いかかる。
アクエリアスが纏(まと)う薄絹の衣が、衝撃波を浴びたために、たちまち散り散りになって裂け飛び、後方へ吹き飛ばされていった。

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