《MUMEI》 抱きしめてフィナーレ「えーではレクリエーションもこれで最後になりましたねー」 「そうですねーでは最後のプログラムは聖夜祭で同じみのフォークダンスです」 用意されたプレーヤーから軽快な音楽が流れ踊りだす 「フォークダンスってこう踊るのか…」 「うん、そうそう…さすが羽鳥君飲み込み早いね…」 「ありがとう…」 「ねえ…羽鳥君…」 「…なんだ?」 「私、羽鳥君のことほうっておけなかった 一人でずっと悲しそうにしていたから あと私ももとから友達作るの 凄い苦手で友達もあまり いなかったし、 でもねそんな私に 話しかけてくれた男の子がいたの… その子とは偶然席替えで隣になって 夏休み最後の日にありがとうって 言いたかったけど言えなかったの、 私はまだ夏休みが終わってからも 言えると思ったんだけど…その席には 彼はもういなかったの…夏休み中海外に 転校したみたい、今でも叶わないけど ありがとうって いいたかったよ…」 羽鳥君は少し切ない顔をして。 私を見下ろした 「…俺にはな、昔恋人がいたんだ…もうとっくに死んだけどな…」 「病気か、何かで…」 「いいや電車に跳ねられて死んだんだ… あの時は本当につらかったし、 何よりも悲しかった 俺がPTSDで入院しだした時に 親に捨てられて 挙げ句の果てには夜逃げしたらしくて 始業式の当日に家に帰ると俺の家だけ 八月一日で時が止まって、 新聞でポストが パンパンになってたんだ…その時から 気づいた 病気になった俺はいらないと…そして、 いつしか心も閉ざし、 部活もやめて 一気に友達がいなくなって 病院と学校の往復しかしなかった…んだ」 きがつけば羽鳥君の目には涙が溜まっていた 彼女を失い、親に捨てられ、友達も失った 羽鳥君の切なく、悲しい過去 「でもそんな時、 お前が話しかけてくれた… 最初は話しかけられるのなんて 久しぶりで素っ気なく接してたけど 嬉しかった…お前が貧血で倒れた時は 凄く心配した 勉強どころじゃなかった んだ…」 こんなにも心配してくれて、心が暖かくなってくる。 「本当にごめんね…ありがとう…」 「ああ…それと今日は一緒に過ごせて楽しかった…ありがとう…好きだ」 「京一…私も」 「岬…」 私たちはキャンプファイアーの火が 灯る場所でキスをした、そしてこれが二人の初めてのキス 前へ |次へ |
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