《MUMEI》
ありがとう
あのあとレクリエーションが終わり、宿舎に戻る。
「岬…ロビーで待ってる…」
「うん、…」
京一は、部屋係で先に宿舎に行って点検しないといけないので海辺で待つすると
「ひゅーひゅー羨ましいぜえー」
高野君が水を差すように冷やかしてくる
「こいつ、馬鹿だから…ほっといてやれ。それと…」
 「明るくなったな…」
「え…」
その一言に自然と涙がこぼれた。あの時は、名前を覚える余裕もなくて誰だかわからないけど
今ならわかる…霧生君だったんだ…
「…ありがとう…うっぐす…」
「泣くなよ、彼氏がまってるだろほら」
ハンカチを手渡され、涙を拭ったらホテルのロビーまで少し話をする。
「まさか、お前が羽鳥と付き合うとはな…先取られたぜ」
「でも霧生君、格好いいし、身長も高いし私みたいな地味な子が隣に並ぶなんてありえないよ…」
「そうかあ?垢抜けて可愛いけどな…じゃあ羽鳥はどうなんだ、地味で垢抜けないか…」
「いやっそんなんじゃないよ…最初話しかけた時なんて私には叶わないなんておもったよ…」
「そうか…あっこんな所だ…行けよ…」
「うん」

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