《MUMEI》

 






「とりあえず、部屋戻れ」

「だから大丈夫ですって」










がんとしてあたしを働かせないようにする一架さん。どちらも頑固な性格みたいで譲る気配はない…

体調が不安定なせいか段々と苛立ちが募っていく















「なんで素直に聞き入れないんだ?」

「自分自身が大丈夫だと思ってるからですよ。心配しないでください。それよりホラ、支度しないといけないんで退いて下さい」

「ダメだ。お前、なんでそんな……「ほっといて下さいよ!!」













一架さんに捕まれた腕を振り払う。そしてハッと我に返り後悔、









――――――――あぁ、やってしまった…













一架さんはあたしの態度に当然腹を立て眉間に皺をたぐりよせながら「ならいい、勝手にしろ」と、一言冷たくいい放ちクルリと背を向け去った……。





あたしはと言うと、その場で膝と手を地面に落とし、挫折ポーズ















「最低だ最低だ最低だ最低だ」











ただ単純に心配してくれてただけなのに

あたしは………あたしって野郎は………ッ




自分の我で八つ当たりしたクソ女じゃねーか。いや女ですらないウジ虫だ。害虫だ。













極度に落ち込んでいた















「なんであたしって、こんな………」

「なにしてんだよ邪魔なのがわかんねーの?」

「?」













見上げればウザッたそうにあたしを見る大和くん












「何、踏んでもらいたいわけ?ワザとなわけ?虫みたいに這いつくばってんなよな」

「すみません。私はそこら辺の雑草です」

「よくわかってんじゃねーか、踏んでも踏んでもしつこく生にしがみつくあたりとかまんまだもんな」

「……………………………………」














―――――――――――こんクソガキャッ!













見た目の天使みたいな顔から想像出来ないような悪魔さながらの黒い言葉が延々と続く

年下の分際で年上の星夜を上から嘲笑う。













「ま、雑草だとしても邪魔なもんは邪魔なんだよな廊下は生える場所じゃなくて歩く場所だから。わかる?意味」













―――――――――――殺してぇ…











切実な殺意が芽生えたとか、












 

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