《MUMEI》
始まりはあなた
今日は鮎沢台の終業式、夏休みの始まりだ。
「あー夏休みどっか行く?」
「うーんと彼氏と旅行かなあ…」
「おっラブラブ〜」
友達に冷やかされ、苦笑いする私。
実は、本当は亮とは恋人じゃないんだよ…。
亮は毎回どこかで浮気してる。
今日だって
「おーともみー可愛いなあ…」
「ちょっとおーりょったら彼女いるじゃない」
「あっそっか影薄いからな…」
ほら、今日だってともみというギャルっぽい女子生徒の肩を抱いて笑ってる。
 確かに私は、亮と違って影も薄いし、地味だし、存在感なんてないよ。
でもね、私前から気づいてたの、亮と私は不釣り合いだって、隣にいるだけで可笑しいんだって笑い者なんだって、だから私があなたを地獄に落とすね。松下 亮さようなら、早く
死んでね…

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