《MUMEI》 突然の来訪者家のインターホンが鳴る。 「はい…」 「ち…じゃなかった、松下ですけど…」 その声の主は、長門が言っていた、亮の弟だった 「お邪魔します…」 「いいよ、そんな他人行儀じゃなくても…」 「いや、初めて会う人なのに、礼儀一つもないなんていけないからね…」 なんだろう。最初、名前を聞いた時のイメージは亮とほぼ同じ雰囲気を醸し出しているのかなと思えば…。穏やかで礼儀正しい、立派な好青年だ。 自分の部屋を案内すると、亮の弟は椅子に腰かけ。話をする体制に入った。 「先日はすまなかった…」 「あ、いえ大丈夫ですよ…そんな酷い怪我も無いですし…」 「そうか…いや、しかし、ここ数年あいつは調子に乗り出しているからね…」 ああ、やっぱりと内心思ったが、話題はそれ おしおきの話になった。 「僕は、普段、松下という苗字で過ごしていると思うかい?」 「うん、だって松下なんでしょ…」 「違うよ…知念という架空の苗字を使って生活しているんだ…」 「しきたりか、なにか?」 「いいえ、僕は昔、亮に凄い威圧をかけられていたんだ。家族も、周りの人物もそれを見て何も言わない、つまり支配されていたのだよ…」 支配…亮はそんな事できるイメージはこれっぽっちもなかった。 「そして、僕が威圧をかけられて、支配されている所を助けてくれたのが支配人である知念だったんだ…それからしばらく、今年まで本家にかくまってもらったんだけど、去年病死したんだ…表向きはまだ生きてるという説も聞くけれど消されたのかも知れないね…」 「は、はあ…」 私が聞くのには壮絶な内容だ、確かに亮の家は普通の人の一戸建てよりも何倍もあるし、豪邸と言っても過言ではない。 「それに、この夏休み、今までの恨みをはらしに亮を拷問しようと思う…死ぬぐらいにね…」 …この人もとても怖くなっている。どうしよう 亮が死んだら…。 前へ |次へ |
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