《MUMEI》

 









「つか顔青白くて酷いんだけど」

「……へ?」












覗き込むようにあたしの顔を眺めながら大和くんはため息をついた……。











「アンタ鏡もってんの?便利だから使ってみろよ、自分の酷さが直視できるから」

「その言い方はあんまりでは…」

「何?事実だろ。それとも心にもない偽善ぶって心配してほしかった?あー、いやだいやだこれだから女は…」

「……んな、なにお―――――!!」

「お。やんのか雑草女」






とうとう我慢の限界を越えた星夜は無鉄砲にも飛びかかる


……………………が、










バターンンン!






「おっと、」














ひらりとかわされ星夜は勢いよく顔面から床にダイブ。身体が弱っているにもかかわらず体力を消費するもんだから症状は悪化、髪も乱れ息も上がる。


そんな星夜にまたもため息をつく大和、














「なぁ、………馬鹿なの?」

「こんの、ゼー……くそ、ゼー…ガキャ…」

「はいはい、それが精一杯の負け惜しみね。お疲れ様」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」












腹が立ち過ぎて言葉にもならない。大和は少し口の端を釣り上げなんとも皮肉めいた表情を浮かばせた……。
















「言い分がないならもう行くぜ。あー腹減ったー」

「………………………………」













なんなんだよ

ちくしょう…………。












起き上がる気力がなかった……
















 

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