《MUMEI》

 









「遊佐ァ!」










バターンンン!





がさつな足取りで入って来たのは一架だった。いきなりの訪問に一瞬目を丸くした遊佐だったが、またあの威嚇するような目付きを突っ立っている一架に向けた……。












「………ってめェは、毎回毎回毎回毎回!騒ぐか暴れるか刀振り回すしか出来ねーのかァ!?だいたい………「星夜さ、」













ゆっくりと開ききった襖を閉めてポツリと呟いた。流石の遊佐もいつもの馬鹿な調子じゃない一架に疑問を抱き口を瞑る。

そうして一言、「なんだ」とだけ言葉を返した。







一架は遊佐の前に胡座をかき座る。















「アイツ、おかしんだ」

「ハッ……、いつもの事だろ?」

「違う、…違うんだ。遊佐は今日アイツを見たか?」

「………いや?」

「……………………今日は休ませてくれないか、星夜を」

「……………………………」














あのガキ体調悪いのか?ただの風邪だろ?


…………でもコイツのこの表情、安易に流せば取り返しがつかないことが多い。

だが、昨日アイツに会ったがいたって普通だったハズだ。確か……多分、正直気にも止めなかった。














「まぁ、お前がそこまで言うならそうしよう」

「!!ほんとか?」

「あぁ、」














下に向けていた顔を上げ、安堵に包まれた表情を見せた。が、それも束の間、また一架の表情が曇る。













「悪いんだけど、そのことアイツに直接言ってくんねー?」

「………俺がか?」

「喧嘩紛いのこと、しちゃって顔会わせずらい……」

「…………………………………」













なんてめんどくさい















「たかだか口喧嘩したくれぇで会いたくねーなんて、ガキか?お前」

「遊佐だってムカついたら無視するくせに……」

「あァ゛?」

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