《MUMEI》
午後一時
教室の出来事から、彼女と新たなる証拠を、探したが一向に見つからず、仕方がないので一旦家に帰った。
「家に帰っても何もやることがないな。」と俺は、自分の部屋のベッドの上で、独り言を呟く。
この家には、俺と、母と、妹らしき人が暮らしている。俺は、最近この家に来たばかりなので、あまり慣れていない、っと俺は、175の身体を起こし腰まである、髪を結い、リビングに向かった。
扉を開けると、妹がエプロン姿で、キッチンに立っていた。
「刹さんお帰りなさい」
「ただいま、雪・・・・」と俺は、川原 雪(かわはら ゆき)に、ただいまと言った。
      「初めましてっていうべきでしたか?」とリビングのソファーに座り込んだ、俺に言う。
      「初めましてって兄に言うと変な感じしないか、あんまりそう言うところは気にしなくていいよ。」
      「そうですか?」
      「そうだよ、だって墓参りとかで、たまに会ってたじゃないか」
      「会ってたって言うよりは、顔を会わせたぐらいじゃないですか?」と彼女は、俺に向けて冷たい目線を向ける。
「そうだったか?」
      「そうですよ、私は小さい頃あなたのことを、兄弟だと思わずに、親戚の人だと、思ってましたよ。」
      「そうだったのか・・・」
      そこまで兄貴らしくなかったのか、確かに、親戚の墓参りとかじゃなかったら会わなかったからな・・・・。
      
    {雪}私のこと全然わかってないんだから、刹さん。私は、久しぶりに会ったのに、私のこと、なにもいってくれない、背が伸びたとか、大人らしくなったな、ぐらい言ってくれてもいいのに。

       そうこうしている内に、食事の準備が整い、一緒に食事をした。
      「この料理すごくうまいなっ、これは、どこの家に出しても大丈夫だな。」と言ったら、雪は、顔を真っ赤にした。
       「私は、別に嫁入りなんてしません。」
       「そうなのか、それは勿体ないな。そんなに可愛らしいのに」そう言うと今度は、顔を隠して、こちらを見ない。
   「そうなんですか?」
「そうだよ、俺の妹ながら、とても可愛いよ」
       「それなら、その・・・・」
       「その?」
       「なんでもないですっ!」
       このあとの会話はあまり弾まず、時間が過ぎているばかりだった。

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