《MUMEI》
鳥木さん
工場で働いてる鳥木さん
俺が働いてる持ち場の
責任者です

責任者と言っても
俺らは派遣的なスタッフなので
鳥木さんはそんなに偉い人では
ありません

工具も自腹で買う
そんな鳥木さんは
あまり考えを言わず
自分でなんでもやろうとするから
新人の俺にはちょっと辛い

もっと命令すれよ!鳥木さん!
変に動いたら怒るし

やりずらい

そんな鳥木さんを見てると
思う事がある

鳥木さん45歳独身
おそらくチェリー
携帯の着信音は
人気アイドルグループの歌
工場に情熱を向ける男

果たして鳥木さんは
幸せなんだろうか?

俺がそんな事を思うのは
失礼だが

鳥木さんの人生はそれで
満足なんだろうか

確かに工場が大好きなんだろう
働いて間もない俺でも
情熱が伝わってくる

だからここで働いてて幸せなのかもしれない

でも、それで満足なんだろうか

俺がここでずっと
働くと鳥木さんみたいに
なるのかな

鳥木さんは仕事できるし
凄いなと思う

でも同じようになりたくない
このままずっと工場人生決めたくない

だって

まだ30代だから

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫