《MUMEI》 「あぁ、黒乃か」 「ッ!!や、柳場さん知ってるんですか!?」 「まあな。」 場所は都内某所の小さなラーメン屋 夜の7時とゆうこともあって客の入りも激しくカウンター席はほぼ満員。二人は大体真ん中ぐらいのカウンター席に座っていた。 ズゾゾーと味噌ラーメンをすするのは、無精髭の上司、ネクタイもせずルーズにワイシャツを第2ボタンまで外し左腕には年季の入った銀の腕時計。あまり品のあるとは言いがたい風貌の男だが女には何故かモテるのだ。 柳場は肘をつき、興味津々の彼女に目を向けないまま一言 「アイツはダメだ」 「え?」 彼女は意味がわからないと言いたげに首を傾げる。柳場はそのやる気のない切れ長の目を彼女に向け、 「調べたいんだろ?黒乃を」 「そりゃあ勿論!」 「ダメだ」 「なんでですか!?こんな面白い調査結果がでてるってゆうのに」 「病院に行きたくなけりゃ我慢しろ。園原はまだ新人だからわかんねーだろうが、調べてもいい人物とヤバい人物がいんだよ。わかるか?」 「う、裏の人間ってことですか?」 「そうだ。ま、アイツは違うんだが特別なんだ」 「特別……」 「あぁ、」 そう呟いてからまた柳場はラーメンに箸を伸ばす。園原は柳場の意味深な言葉にますます斎籐黒乃に興味を持った。 前へ |次へ |
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