《MUMEI》

 







探してみよう。








私は柳場さんと別れた後、一人帰宅しながらそう心に決めた。





……っだって気になるじゃない

なのにダメだと制限をかけられたら逆に探求心が加速する。私は調べてそれを表に出すのが仕事なのだから引き返せなんて無茶な話。そうよ、私のこの今の気持ちは仕事からくる熱意!大物を釣りたいと思うじゃない!












ヒールの音がやけに人通りの少ない路地裏に響く

街灯は点々と、暗い夜道を機械的に照らす。
















「…………にしても何処から居場所を突き止めよう………」








そんなことを呟いてから彼女は思い出した。










「そういやあの子……」








思い返したのはアンケート調査したときに出会った女子高生。ほとんどの人間が、本人を見たこともない人伝いの噂を口にするだけ。だが彼女は、6番目に聞いたあの彼女は自分の通っている学校の先輩だと言った。

これは有力な情報だ


確か制服は派手ではなく、スカートもネクタイも鞄も黒く、どちらかといえばスーツのようにシックだったはず。となると導かれた高校は………










「F高か…」












小さく言葉にして知りたいとゆう衝動を押さえながら路地を進んだ………。
















▼▽














「う―――――――ん、」











次の日、私はすぐ行動に出た。


やって来たのは昨日口にしたF高、私はその立派な校門で佇んでいた。












「来たのはいいが、許可得られるかしら」






最近は物騒だからと許可してくれない場所が増えている。とくにこの学校というものなんか、しかも知りたいのは生徒ときた。完璧怪しまれる













「とりあえず用はためし、ダメなら他の接触を考えよう」












校門から一歩足を踏み入れ敷地に入った。地面にはレンガが敷き詰めてられており、薄い茶色から濃い茶色と様々だった。

所々座れる場所も設けてあり、その近くには西洋風の街灯がポツリポツリと立っている。


そして目の前に広がる校舎もアンティーク徴で風格がある。レトロといえばいいのかとにかく全てにおいてお洒落な雰囲気だった。














「いきなりヨーロッパにでも来たみたい…」














 

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫